
住宅ローンに加え、年間50万円の光熱費負担やメンテナンス負担に苦しむ人を1人でも減らすために、山野内建設は、断熱気密+太陽光発電=光熱費ゼロ(ZEH)に特化した新築orリノベーションに取り組んでいます。
2025年6月。今金町のO様邸をお引渡しさせていただきました。Оさまファミリーは、お子さんが誕生するのを機に、アパートから新築戸建て住宅への検討を開始しました。

断熱性能と太陽光発電に特化した全国大手ハウスメーカーから住宅性能の重要性を聞き、光熱費負担を抑える家づくりをすると決められたОさま。ただし、建設価格もできるだけ安くしたいというご要望がありました。
地元でも同等の断熱性能と太陽光発電による創エネを組み合わせたZEH住宅が実現できると知り、当社にお問い合わせいただきました。

当社は、2017年に、新築住宅、リノベーション、アパートなど建設に関わる全ての住まいをZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)にすると宣言し、2025年現在まで全棟でZEHによる家づくりを行っています。
住宅性能面では全国トップクラスの性能を実現できます。ローコストの住宅会社に比べれば、断熱性能の強化や太陽光発電の導入などのコストがかかるため、価格の安さでは勝負できません。

そこで、当社も初めてチャレンジする、ある仕組みをОさまにご提案しました。
需要と供給に応じて商品やサービスの価格を変動させる仕組み「ダイナミックプライシング」による家づくりです。
「ダイナミックプライシング」は、ホテル業界や、プロ野球のチケットなどで取り入れられている手法で、週末や祝日など、需要の高い日には、価格を高くし、逆に需要が低い時期は、価格を大きく下げることで「需要に応じた適正価格」で販売を行う手法です。
住宅業界で「ダイナミックプライシング」を実践しているケースは少なく、当社も、今回、初めて試験的に導入する手法です。その仕組みをご説明します。

北海道の住宅業界の場合、11月から4月頃までの冬場は冬季養生や除雪などが必要になること、そして住宅関係の補助金申請が例年5月頃に申請開始になり、年末頃までには完成お引渡しが求められます。
冬季を避け、補助金も利用しようとすると、結果的に
1 春から夏にかけて着工
2 年末までにお引渡し
という案件が多くなります。そのため設計者や施工管理者、大工さんや内装、電気などの技能者、は、春から年末ころまでは忙しいものの、冬は比較的仕事が少なくなりがちです。
住宅会社の経営という面は、春から年末にかけて、忙しく稼働できる一方、冬場だけ現場が少なくなることがネックでした。

その状況をクリアするため、Оさまにご提案したのは、
1 建設工事は11月から5月の閑散期に行う
2 住宅関連の補助金を利用しない
という2点、さらに、
3 住宅建設でコストがかかる大きな要因である、打合せ回数、プランニング回数を大幅に減らすセミオーダーの家づくりであることをお客様に了解していただく
という点を了承いただけるなら、建設費を削減できるというご提案でした。

Оさまは、高性能なZEH住宅で光熱費負担をゼロにでき、建設費も削減できるなら、打合せ回数を減らすことと、工事の時期を冬場まで遅らせることは構わないということで、合意させていただきました。
着工までの間に、O様の要望を詳しく伺い、リビングの吹き抜けや採光、回遊導線、対面キッチン、収納スペースの確保などをプランニングに盛り込みました。その一方で、着工後の打合せなどはほぼ行いませんでした。

UA値(外皮平均熱還流率)
O様邸は、UA値(外皮平均熱還流率)は0.23。室内と外気の熱の出入りのしやすさの指標であるUA値は、今金町では0.46(数字が小さいほうが断熱性能が高い)が基準値。その値を大幅に上回る省エネ性能を確保しました。
断熱等級
断熱等級は、住宅の断熱性能を表す等級です。2025年4月、新築住宅は断熱等級4が義務化されました。さらに2030年を目途に断熱等級5が義務化されるといわれています。O様邸では断熱等級6を実現しました。
O様邸は延床面積が約27坪。比較的コンパクトなので、当社の住宅性能では、6畳用のエアコン一台で十分暖房できます。断熱等級の最高は7ですが、最高等級の7にしても光熱費負担はほとんど変わらない、という計算になったため、建設コストを抑えつつ光熱費負担も抑えるというバランスを検討し断熱等級6を採用しました。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)

太陽光発電8.1キロを屋根に搭載。年間で12万円ほどかかる光熱費を太陽光発電でほぼ賄える光熱費ゼロ住宅になりました。
山野内建設の光熱費ゼロ住宅の仕組み
当社の家づくりは、建設費だけで考えるのではなく、何十年もの期間にわたって発生する光熱費の負担をいかに抑えるか、を踏まえた家づくりです。

道南エリアで新築住宅を建てた方の多くが年間光熱費でおよそ月4.5万円、そして住宅ローンが約8万円、合計で毎月12.5万円ほどの支払いを続けています。そのほかにも将来のメンテナンス、リフォーム費用、固定資産税などの負担も発生します。

そこで当社は、住宅の暖房、冷房、給湯、照明、家電などの光熱費を、断熱気密性能を向上させることによって、光熱費を約50%削減し、さらに、太陽光発電による創エネと組み合わせた結果、住宅の光熱費負担を実質ゼロにする取り組みを行っているのです。

なお、当社は、新築、リノベーションによる家づくりをプランする際には、光熱費と、太陽光発電で生み出す電力の試算を行って、光熱費ゼロにできるようにプランニングします。
ただし、家電や照明の使用量など、各家庭のライフスタイルによっては試算とは異なる結果となる場合もあります。(こうした点も含め、疑問点は遠慮なくお問いあわせください)

住宅性能、品質を妥協せず光熱費ゼロのZEH住宅を実現しつつ、住宅会社にとっての閑散期に施工、そして設計・打合せコストを大幅に削減するダイナミックプライシングを導入することによって、約26坪の住宅の建設費が3000万円を大きく下回る価格で実現しました。
建材価格や大工さん、職人さんの労務費も高騰している中で、住宅の建築価格は20年前より5割以上値上がりしています。
こうした中で、当社は、全棟ZEH宣言をしているため、住宅性能は一切妥協できません。そのうえで建設価格を抑えるために、
1 ZEHリノベーション
利便性のよい立地にある中古住宅を安く購入し、そのうえでZEHによるリノベーションを行うことで建設費と光熱費を大幅に削減することができます。
2 ダイナミックプライシング
この方法は、当社にとっても新たなチャレンジでした。ダイナミックプライシングにご興味がある方は、ぜひお問い合わせください。

最後に
山野内建設は、地場工務店として、お客様の要望を詳しく伺い設計に反映させる自由設計の注文住宅をメインにしています。間取りやデザインのご要望も遠慮なくご相談ください。光熱費負担を実質ゼロにできるZEH住宅でランニングコストを抑えることができます。建設費も、リノベーションの活用、住宅補助金の活用、そして今回のダイナミックプライシング、さらには老後資金を確保しながら住宅を手に入れられるリバースモーゲージなどの新たな提案も可能です。
